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制作会社の協力が得られないとき、いまのサイトを作り直せるか

制作会社と連絡が取れなくなっても、いまのサイトの内容をどこまで集められるかは決まっています。どこから確かめ始めるかは、いま入れる管理画面で変わります。集められる範囲そのものは、付与されている機能とサイトの構成にもよります。作り直しの見積もりを取る前に、何が手元にあるのかを判断できます。

公開日 2026.08.15読了目安 5分著者 DD Defense Desk

決まるのは、素材をどこまで集められるか

作り直しに要るのは、制作会社の協力そのものではなく、いまのサイトを構成している素材です。文章、画像、設定、そして公開しているページを作っているプログラムです。どれをどこまで取り戻せるかで、作り直しの形が変わります。ここで扱うのは素材までです。 フォームや会員機能を同じように動かせるかは、機能ごとに条件が変わるため静的サイトで残せる機能の条件で扱います。

集められる範囲は、いま自社が入れる管理画面で決まります。WordPressの管理画面、契約しているサーバーの管理画面、その両方、どちらにも入れない、の4通りです。

ドメイン名とサーバーの契約を動かせるかどうかは、素材とは別の話です。ドメインの管理画面に入れなくてもサイトを移せるかの判断材料に分けてあります。

WordPressの管理画面に入れるとき

WordPressには標準のエクスポート機能があります。公式文書は、作られるWXRファイルに投稿、固定ページ、カスタム投稿タイプ、コメント、カスタムフィールド、カテゴリー、タグ、カスタムタクソノミー、利用者が含まれると説明しています。文章とその分類は、ここで持ち出せます。

ただし、この資料はテーマ・プラグイン・サイト設定・アップロードしたファイル本体が含まれるかどうかを書いていません。含まれないと判断するには別の資料が要ります。エクスポートしたファイルだけを保管して、素材がそろったと考えないでください。

つまり、この資料から確実に言えるのは、WXRに含まれると書かれているものが持ち出せることまでです。テーマや画像がどう扱われるかは、実際にエクスポートして中を見るまで分かりません。

サーバーの管理画面に入れるとき

契約しているサーバーの管理画面に入れるなら、集められる範囲が広がります。ただし、できることは事業者ごとに違います。

データベースについては、エックスサーバーのサーバーパネルから手動のバックアップをダウンロードできる(外部サイト)としています。「データベース1個の容量が目安値(MySQLバージョンにかかわらず5GB)を超えている場合、ダウンロードできません」とあり、目安値を下回っていても多量のレコードがある場合は失敗することがあると書かれています。この資料が支えるのはデータベースだけで、ファイルの回収は支えません。

ファイルについては、cPanelを使うホスティングなら、File Manager から選んだファイルのダウンロードや、フォルダをまとめて圧縮する操作があります。同じ文書は、この画面を提供元が有効にも無効にもできると書いています。さくらのレンタルサーバのファイルマネージャー(外部サイト)でも、圧縮形式を指定してダウンロードできます。契約している事業者に同じ機能があるかは、その事業者の資料で確かめてください。

どちらにも入れないとき、外から取れるもの

管理画面のどちらにも入れない場合でも、ブラウザに表示されている内容は記録できます。ただし、再利用できるファイルとして回収できる範囲は構成によります。表示されているものが、そのままファイルとして手元に残せるとは限りません。何が残せるかは実際に試して確かめることになります。すでに消えている過去のページは含まれません。

取れないものははっきりしています。PHPの公式マニュアルは、コードがサーバーで実行され、その結果がクライアントへ送信されると説明し、クライアントは「その出力を作成したコードがどんなものなのかを知ることはできません」としています。公開されているページを保存できても、それを作っているサーバー側のプログラムは外から取得できません。

この境界が当てはまるのは、PHPのようにサーバー側だけで動くコードです。ブラウザ側で動くスクリプトや、公開しているファイルそのものは、表示されていれば取得できることがあります。サーバー側のコードを取り戻せない範囲については、同じ仕組みを引き継ぐのではなく、いまの表示を出発点に組み直すことになります。

契約ごと引き継ぐ選択肢と、その条件

制作会社の契約をそのまま譲り受ける経路もありますが、条件があります。エックスサーバーの利用権限譲渡は「XServerアカウントIDに紐づくすべてのご契約を第三者に譲渡する手続き」であり、「サーバーアカウント単位での譲渡はできません」と明記されています。

制作会社が複数の顧客の契約を同じアカウントIDに紐づけている場合、この手続きでは自社サイトに対応する分だけを譲り受けられません。同じアカウントIDにまとまっているかどうかは、制作会社に確かめないと分かりません。

法人から法人への譲渡では、申込書と、発行から3ヵ月以内の印鑑証明書が要ります。同社は必要な書類や情報がそろってから2営業日から4営業日ほどで完了するとしていますが、不備があると日数が延びるとも書いています。連絡が取れない相手から書類をそろえる前提の手続きなので、協力が得られない状況では成立しにくくなります。

同社は書類の用意が難しい場合にサポートへ問い合わせるよう案内しています。資料から分かるのは問い合わせ先があることまでで、そこで何が認められるかは書かれていません。新しく契約して移す場合にどれだけかかるかは、この資料からは分かりません。両方を並べて比べるには、移す先の条件を先に確かめることになります。

集まった素材で、何ができるか

集められた範囲によって、作り直しの形が変わります。どの管理画面に入れるかで、確かめられることが変わります。

入れる管理画面集まるもの作り直しの形
WordPressとサーバーの両方文章と分類。加えて、管理画面から取り出せた範囲のデータベースとファイル取り出せた範囲を確かめてから、どこまで再現するかを決める
サーバーだけ管理画面から取り出せた範囲のデータベースとファイル取り出せた分がどこまでを占めるかを、公開中の画面と突き合わせて確かめる
WordPressだけWXRに含まれると書かれているもの。それ以外は実際に書き出して確かめる書き出した中身を見てから、何を作り直すかを決める
どちらも入れない表示されている内容。回収できるファイルの範囲は構成による表示されているものを出発点に組み直す。サーバー側のプログラムは取り戻せない

相談相手に確認すること

作り直しを依頼するときは、次を先に伝えると、見積もりの前提がそろいます。

  • 入れる管理画面:WordPressの管理画面、サーバーの管理画面のどちらに入れるか。パスワードの所在も含めて伝える。
  • 公開しているページの数:作り直す対象の規模。外から数えられる場合もある。
  • 残したい機能:フォーム、会員機能、検索など、表示だけでは再現できないもの。
  • ドメインと契約の状態:誰の名義か、支払いが続いているか。切り替えの可否はここで決まる。

参考情報(外部サイト)

本文で参照した外部の公開情報です。

協力が得られないことと、作り直せないことは別

入れる管理画面があっても、必要な素材がそろうとは限りません。書き出した中身に何が入っているか、ダウンロードの機能が使える状態か、容量の条件に当たっていないか。どれも、実際に試すまで分かりません。手元に何があるかを確定させてから、作り直しの範囲を相談することになります。

素材と並行して確かめることがあります。ドメインとサーバーの契約が制作会社の名義のままなら、更新や支払いが続くかどうかを自社で決められません。素材集めを止める必要はありませんが、契約の状態も早めに確かめてください。集めた素材で実際に移すときの進め方は、制作会社と連絡が取れないサイトの移行にまとめています。

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